安川有果監督 『Dressing UP』

恐ろしきモンスターを内側に抱える少女がいる。人が傷つき、物が破壊され、混乱する。

けれど、少女が希求するのは「人をゆるすこと」と、「ゆるされたいと祈るように思うこと」だ。
ラスト、少女のまなざしから伝わるものは無限にある。

森下くるみ女優/文筆家

キララほんとに凄かった。

安川の映画で一段と魅力が増したね。

今度会うの恥ずかしいわ。

柴田剛(映画監督・『堀川中立売』)

祷キララという若い女優がそこに立っている。大仰な身振りから最も遠いその表情を見ることは、映画そのもの、映画というスリルそのものを味わうことだ。

 自分がどこからどのようにしてここへやってきたのか、自分は何者か。

 ヒロインは奪われた記憶をみずからの意志によって奪還する。そのことによって恐怖と抑圧に立ち向かう。逃れられないものに向かい合う闘い。出自に向かい合い、生き抜くための闘い。その表情は静かだ。その表情は、自分を翻弄する世界に向かい合うバスター・キートンのように透明な美しさをたたえている。普通ではなく普遍の美しさなのだ。

大久保賢一(映画評論家多摩美術大学

安川有果が描く危うさは、少女の中を喰いちぎって飛び出すモンスターと同じくらいの強い光だ。それに照らされる人々はなんて愛おしいんだろう。

 

朝倉加葉子(映画監督・『クソすばらしいこの世界』6/8よりポレポレ東中野 以降順次公開)

「祷キララ」さん。

お芝居が上手で綺麗な子たくさん、知ってる。

でもそんなんじゃない。誰ともちがう。

ただ、「いる」。そこに、「いる」。

画面の中にただ、「いる」としか言えない、圧倒的存在感。

 

野生の眼をした女優さん。

感情のうずまきが、グイグイ伝わってくる。

最高です。

春名風花(女優・タレント)

少女の中に密かに眠っていた怪獣が起き上がる。

勿論、安川有果の怪獣も起き上がる。

 

少女の顔・表情と、歩き方を見て欲しい。

少女は、ツイ最近、忘れてしまった記憶を取り戻す為に焦っている。

2才の時に母親は亡くなったと、父から聞かされている。

このツイ最近の記憶(もどかしい)を取り戻す為、彼女は暴れ、学校を破壊する。

 

ラストカットの、彼女の表情とその変化を見て欲しい。

これ等一連のシーンは、私が近年見た映画の中で、最高の場面だ。

 

安川有果は、(私と同じく)どうしても映画を作らざるを得ない、根源的な動機、失った(忘れた)記憶、(その先の秩序)を求めているんだ。私と安川は似ている。

私の映画と安川の映画は、似ていないようで、似ている。

彼女は、今後も、ゆっくりと映画を作って行くだろう。

※コメントより一部抜粋

沖島勲(映画監督)