2013年

5月

15日

『Dressing UP』企画書公開(安川)

 

2011年に書き上げた企画書です。久々に見直し、こんなこと書いてたのか…と自分でもちょっと面白かったので掲載することにしました。あらすじに関しては出来上がった作品との相違点が多々あるため、混乱を防ぐために割愛させて頂きまして、企画意図のみです。

 

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助成作品『Dressing Up(仮)』企画書
制作者:安川 有果
2011年9月1日

企画意図

 
私は大阪駅前の牛丼屋でアルバイトをしている。もちろん、スピードが命の商売なので、どれだけ早く牛丼を出せるか、お釣りを渡せるか、が重要になってくるのだが、たまにもたもたしているお客さんがいてスムーズな流れが滞ってしまうことがある。


そんなとき、私はついその後ろで待っているお客さんの顔を見てしまう。すると、たいていの人が「殺すぞ」という顔をして、もたもたしている人の後ろ頭を睨み付けているのだ。でもそんな凄まじい顔を浮かべていたお客さんも、自分の番が来ればさっさとお金を払って出て行くだけなので、毎日滞りなく営業は続けられているのである。

私のバイト先に限らず、スピードや生産性が求められる時代では、このような光景は日常茶飯事なのかもしれない。

このことを考えているうちに、一人の登場人物が頭に浮かんだ。

「殺すぞ」という衝動を理性で抑えることで成り立っている世界の中に、突然芽生えた動物のような凶暴性を自分の意志でコントロールすることができなくなった人物が現れたとしたら・・・。 この物語では、上記のような状況に陥り、「人間でなくなってしまうかもしれない」というメモを残して行方不明になってしまった父の存在を知った少女が、自分も同じようになってしまうのではないかと悩み、そのように思い込むようになります。

そして、現実を嫌い物語の世界に埋没する少女の存在も手伝って、想像したことが現実にも影響を及ぼしていく事になります。

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2013年

5月

13日

『治療休暇』トークレポート!黒田勇樹×梅澤和寛

5月12日「CO2東京上映展」も2日目を迎え、

『治療休暇』上映後には監督梅澤和寛とスペシャルゲストの黒田勇樹さん(俳優・ハイパーメディアフリーター)のトークショーが行われました。

なんと、監督の梅澤さんと黒田さんはこの日が初対面。

二人で仲良く金麦(ビール)を手に持って登壇しました。ガチガチに緊張する梅澤さんと、「俺に進行役を振るな!」「お母さんを悲しませる映画を作っちゃだめだよ…」と毒舌トークで次々と客席の笑いを巻き起こす黒田さん。壇上で金麦がまわり始めた梅澤さんも、次第にリラックスし、打ち解けていきました。

 

梅澤さんの壇上での振舞いには次々と駄目出しが飛び出しましたが、とある事情から黒田さんご自身も「治療休暇」中だった最中にこの作品をご覧になったこともあり、「非常に共感したし面白かった!」と作品については絶賛してくださいました。

「一番頑張ったシーンはどこ?」との黒田さんからの質問に、梅澤監督は「キスシーン」との回答が。

実は、出演者の女の子にとってのファーストキスだったそう。

しかし、梅澤監督はファーストテイクに納得がいかず、もうワンテイク撮り、「ファーストテイク使わないの?」とのスタッフからの無言のプレッシャーに押しつぶされそうになりながらも、ツーテイク目のカットを本編では使用したそう。

そのエピソードに、「よくやった!」と黒田さんからはお褒めの言葉が。「そこで流されず、決断できたお前は偉いよ。それを聞いて安心した!」と言われた梅澤さん、とっても嬉しそうでした。

 

CO2東京上映、まだまだ続きます!


5/13(月) 『Dressing UP』上映後22:20より

登壇者:沖島勲(映画監督)、安川有果

※沖島勲最新監督作『WHO IS THAT MAN!? あの男は誰だ!?』のメイキング映像の上映あり。


5/14日(火) 『治療休暇』上映後22:35より

登壇者:月亭太遊(「治療休暇」主演)、中川晴樹(「治療休暇」出演)、梅澤和寛、能町みね子(漫画家)


5/15(水) 『Dressing UP』上映後22:20より

登壇者:山下敦弘(映画監督)、安川有果、梅澤和寛、常本琢招(「蒼白者A Pale Woman」監督)


5/16(木) 『治療休暇』上映後22:35より

登壇者:いまおかしんじ(映画監督)、梅澤和寛


5/17(金) 『蒼白者A Pale Woman』上映前21:10より 登壇者:キム・コッビ(俳優)、常本琢招

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2013年

5月

10日

東京で上映をするか、しないか(梅澤和寛)

 

今回のCO2東京上映展2013のはじまりは、昨年三月の大阪で開かれた第八回CO2の時。常本さんと安川さん 両監督と東京上映をするかしないかを話し合った時でした。

 

CO2は大阪映像文化振興事業実行委員会が主催で、大阪での撮影と上映を支援としています。
なのでそれ以降の東京上映などは監督達自らが運営。自分達が元手を負担し、全員で協力していかなくてはならないので、まず監督が集まって東京上映をするか、しないか、そこから話を始めないといけません。
なのでCO2から東京上映をやろう!と言われたわけではなく自分達が決めてスタートしたのです。(CO2運営事務局は協力という形で参加してもらっています。)

 

三人で東京上映をするかどうか話し合った、といっても誰もしたくないと思っているはずがなく、実際には「一緒に頑張ろう」という確認をしあって、話はどういった形で東京上映をするのかになっていきます。

 

一週間の上映にするのか、二週間にするのか。
一緒に上映された短編なども含めるのか、歴代の作品と組み合わせるのか、などなど。
その話し合いに凄い時間がかかってしまいました。

 

沢山の方々に相談し、宣伝に入ってもらった岩井秀世さんと劇場のオーディトリウムさんの協力のもと、大阪でやった上映作品群をそのまま東京でやるのではなく、三作品に上映を絞り、"この三つを観てもらいたい!"と明確にしようと
「一週間レイトショーで三作品上映」に決定しました。(その後常本監督の『蒼白者 A Pale Woman』が六月劇場公開が決定。蒼白者が先行プレミア上映となります。)

 

表紙の祷キララさんの頬に書いてある「くらえ」というのはそういったところから来ており、
今までのCO2東京上映と違って、自分達の作品三つだけでプログラムを組んで挑んでやるという気持ちの言葉です。

 

CO2に助成、支援される監督が自分達の第八回から二人分減って三人になり、また最優秀賞にあたる「CO2作品賞」の該当作品が無いということで、より監督達が団結して取り込んでいかないと、やっても意味がないなと話し合っています。
出来るだけ多くの人に観てもらい 賞など関係なく、皆さんそれぞれにどう思われるのか。どれだけの人に"くらわす"ことができるのか。開催前日の今日まで宣伝をやってきました。

 

笑顔が素敵な僕達三人ですが、心の中では、すれ違う人みんなに「くらえ」と思っています。
梅澤和寛

 

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2013年

4月

27日

『蒼白者A Pale Woman』監督の常本です。

どうも、『蒼白者 A Pale Woman』監督の常本琢招と申します。ほとんどの皆様には初めましてだと思いますので、自己紹介をかねて何か書かせていただきます。


先日ゆうばりファンタに行って参りまして、『蒼白者 A Pale Woman』を上映してもらったんですが、舞台挨拶のとき司会者から「ベテラン、ベテラン」と連呼されまして、ベテランとは誰のことだろうと軽い実存的不安に陥った中年真っ盛りでございます。


いや、最近ベテラン呼ばわりされることが多いんですが、なんか違和感があるんですよ。僕がイメージする「ベテラン」ってウデも・経験も・もちろん知名度もそれなりに所有する者のことなんですが(工藤栄一なんかが真のベテラン)、皆さん、僕のこと知らないでしょ?

 撮った作品で言っても、処女作が1985年発表なのでこの28年間で

 

8ミリ3本

Vシネ11本

美学校コラボ1本(16ミリ)

自費制作映画3本(蒼白者含む)


たった18本! 「これだけですよ、これだけ」(by竹村健一)。一年に1本ないんですから。そして過去作も、多くがVシネなので観ていただく機会はほとんどないという、いわば埋もれてしまったキャリアな訳です。

僕自身監督として長年やってきた、という意識が実はなくて、Vシネ体勢が終わってからは毎回その都度一から「映画を作るシステム」を構築しながらやっているので、時間もかかるし、一本一本が初めて映画を撮るような気持ちで臨んでいます。

加藤泰監督が晩年に「何年かに1本のペースになると、毎回新人監督のようなドキドキを味わえまっせ」とおっしゃっていましたが、まさにそんな気持ちで今回も土俵に上がらせてもらいました。CO2、3人の中ではベテラン的位置づけになってしまいますが、その意味では梅澤さん安川さんと立ち位置は全く変わりませんし、何度も言っていますが「これが実質的処女作」という気持ちには変わりない『蒼白者 A Pale Woman』でございます。

加えて、Vシネ以外は完全自主制作体制でやってきたので、体制的にも今回はいつも通り。「非・バランス」ならぬ「非・ベテラン」の心境に変わりはありません。


ただ、映画を撮るときには誰もが「自分のイメージする映画」を実現したくて撮っていくものだと思いますが、僕の考える「映画」はじつは若い人の考えている「映画」と違うのかな、とは思います。


去年大阪アジアン映画祭で初上映をしたとき、ある若い監督さんが『蒼白者 A Pale Woman』を観て「(カット構成が)エンタメの撮りかたですね」という感想を漏らされたんですよ。

そのとき何か違和感があったんですね。「エンタメ」という語感からは他者を満足させるためのサービスを志向するというイメージを受け取ってしまうんですが、実は『蒼白者 A Pale Woman』は終始自分のやりたいことしかやっていなくて、自己満足に淫していないかなという懸念すらあったくらいですから、いわゆるエンタメ作りとは正反対の態度で作ったはずなのに、と。

ただ、それが結果として「エンタメ」と受け取られるとしたら、それはやはり自分が2本立てのプログラムピクチャーをリアルタイムで体験しており「娯楽映画」の面白さもつまらなさもガキのころからずっと体験しながら自己を形成してきて、映画とはこんなものだという「映画」像が、岡本喜八だったり西村潔だったり村川透だったりの娯楽映画をベースに作られてきたので、自然と「エンタメ」に似た作品になったのかなと。


なので、今回の『蒼白者 A Pale Woman』、おずおずと「娯楽映画」を名乗らせていただくことにしました。自主映画育ちの、まねっこ娯楽映画ですが。全く違う映画的育ち方をしているだろう若い人たちがどんな感想をぶつけてくれるのか、今から楽しみにしております。

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2013年

4月

22日

映画館めぐりの土日

こんにちは。宣伝の岩井です。
CO2東京上映展2013もいよいよ一か月切りました。そろそろスパートをかけていかないといけない状態…しかし梅澤、安川両監督は関西在住のため、あまり東京に来られず、常本監督はTVディレクターとして日本全国を駆け回る合間を縫って(今は鹿児島にいるとのこと…)宣伝してくれており、正直大変苦労しております。しかし、それでもできる限り皆様に映画を観て頂くよう頑張りますので、何卒宜しくお願い致します!


さて、この土日は関西組も東京に来て、宣伝に動き回りました。その時をことを少し書かせて頂きます。まずは土曜日の日中はとある媒体さんの取材で市ヶ谷へ。雨の降りそぼる中、取材して頂きました。CO2全体のこと、個々の作品について、上映に関して、インタビュアーさんの誠意こもった質問に三監督も緊張もせず楽しそうに話している姿が印象的でした。こちらは近日中に上がるかと思いますので、是非そちらをご覧頂ければと思います。


取材を終えて、オーディトリウム渋谷へチラシをピックアップ。そのままアップリンクにて「映画友達」のイベントへみんなで向かいました。今回のゲスト沖島勲さんの新作メイキングを安川監督が制作したので、その上映があったのです。しかし僕は、宣伝をやっている『Playback』という映画がバウスシアターにて初日だった為、イベントには参加できず…吉祥寺へ。残念。沖島さんの新作も激楽しみですが、安川さんのメイキングもどこかでまた観られたらよいな。


そして日曜日は、チラシ配りの日。お昼から集まり、梅澤さん、安川さんと下北沢を廻りました。最初は慣れない二人でしたが、すぐに要領を覚えて、次々に置いて頂けそうなお店に入っていきます。物欲と空腹を我慢しながら(笑)、控えめながら意外と押しの強い安川さん。飲食店の「大阪」の看板をみて「いけそうちゃうか?」と笑いながら入っていく梅澤さん。その対象的な感じが面白かった。チラシ撒きは楽しんでやらないとダメだなと思っているのでよかったです。


その後は安川さんと現在、K'sシネマにて絶賛開催中の「MOOSIC LAB2013」へ。ちょうどCプロを観たかったので、宣伝も兼ねて行って参りましたよ。ついでにCプロの感想を少し。

『viva!毒突きママ』は、ラバースーツを身に纏った女が、バンドマンを監禁して虐待を加えるという内容ですが、何故これを女性監督が撮っているのか、その頭の中の方が知りたくなった(笑ちょうど少し前に福居ショウジン『ラバーズ・ラバー』を観たばかりだったので、フェッティシュ監禁虐待ものとしては弱く感じてしまった。次回はもっと過激さを増したものを期待。

つぎの『社会人』は、何と言っても先日まで大反響を巻き起こした『恋の渦』で一際光る演技をみせた後藤ユウミさんがよかったです!こういう女優さんはとても貴重。ぜひまたスクリーンで見たいものです。

それから最後の『アナタの白子に戻り鰹』は森崎東を思わせる人情劇を現代でやっている(といっても森崎監督の新作もありますががこれも楽しみですね!)姿勢が好感触でした。

主演の森田釣竿さんはバンドマンで初演技とのことですが、よい存在感と演技で堂々たる主演ぶりでした。柳英里紗さんや川瀬陽太さんたちプロの俳優陣に囲まれているキャスティングにも舌を巻きました。(柳さん、川瀬さんの海べりで話すシーンは、ピンクと人情映画のエッセンスが充満した名シーンでした)ぜひシリーズ化、長編化して欲しい!


と、話はずれてしまいましたが、この土日でオーディトリウム渋谷、ユーロスペース、アップリンク、バウスシアター、K'sシネマとたくさん映画館を廻ることになりました。そしてどこに行っても頑張っている劇場の方だったり、そこに来ている監督だったり、役者さんだったりに出会えて楽しかったなー。というか、別々の場所で前に一緒に仕事した人たちと再会したり、スクリーンで出会えるのは非常に嬉しい。

 

今回のCO2東京上映展もそんな出会いの場になればよいと思う。と、無理やり締めたところでこの辺で。

 

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